脱毛サロン業界でトップクラスの知名度を誇っていた「ミュゼプラチナム」が、給与未払い問題や店舗休業を経て、従業員から破産を申し立てられるという異例の事態に発展しました。
かつては「手軽に通える脱毛サロン」として人気を集めていたミュゼですが、SNSでは「計画倒産なのでは?」との声も多く見られています。
本記事では、その背景や破産に至るまでの経緯、そして今後の影響について詳しく解説します。
ミュゼプラチナム破産の経緯まとめ
給与未払いの深刻化(2024年末〜2025年春)
ミュゼプラチナムの経営が急速に悪化し始めたのは、2024年末ごろからです。
最大の問題は従業員への給与未払い。
総額はおよそ15億円にも上り、多くのスタッフが数か月にわたって給料を受け取れず、生活に困窮する状況に追い込まれました。
経営混乱と全店舗の一時休業(2025年3月)
給与未払いが表面化する中、2025年3月には「経営刷新のため」として、全国の全店舗が一時休業を発表。
その一方で、休業直前まで通常通りの新規契約・勧誘を行っていたことがSNSなどで告発され、利用者の間で強い不信感が広がりました。
従業員による破産申し立て(2025年5月)
状況の改善が見られない中、ついに2025年5月、一部従業員が東京地裁に対して破産手続きの開始を申し立てるという、異例の展開に。
会社側は給与の分割支払いなどを提示しましたが、具体的な計画や資金の裏付けがなく、従業員の不信はさらに強まったとされています。
過去から続く経営不振と親会社の影響
実はミュゼプラチナムは、2015年にも経営危機に陥った過去があります。
その後はフランチャイズ化や事業譲渡などで乗り切ってきましたが、2023年に家電メーカー・船井電機が買収。
しかしその後、買収時に見落としていた巨額の負債が判明し、船井電機も2024年にミュゼ株式を手放し、自身も破産に至るなど、親会社の混乱も経営不安に拍車をかけました。
このように、ミュゼプラチナムの破綻は突然のように見えて、長年の経営問題や業界の厳しさ、そしてグループ全体の混乱が積み重なった結果とも言えます。
次のパートでは、「なぜ計画倒産と疑われているのか」について詳しく掘り下げていきます。
ミュゼプラチナム なぜ「計画倒産」と疑われているのか?
ミュゼプラチナムに対して「計画倒産ではないか?」という疑念が広がったのには、いくつかの理由があります。
営業停止直前まで新規契約を受け付けていた
まず問題視されているのが、全店舗の一時休業を発表する直前まで通常営業を続け、新規顧客の契約を受け付けていたという点です。
SNS上では「数日前に契約したばかり」「契約後すぐに休業を知らされた」といった声が多数見られ、返金対応も進んでいないことから、不誠実な対応だと批判されています。
給与未払いが長期間放置されていた
また、給与未払いの期間が数か月に及んでいたにもかかわらず、会社側から従業員への明確な説明や支援がなかったことも疑念を深めています。
さらに、未払いが始まってからも「支払う意思はある」との発言はあったものの、具体的な支払い計画は示されず、時間稼ぎではないかとする見方もあります。
過去にも経営危機を繰り返していた
ミュゼは2015年にも経営危機を経験しており、その際にも「社員の給与が遅れた」「本社が混乱している」といった情報が報じられていました。
度重なる経営難とその場しのぎの対応の積み重ねが、「今回も計画的な破綻では?」と世間から疑念を抱かせる要因となっています。
親会社の破綻も関係か
さらに、2024年には親会社だった船井電機も資金繰りの悪化で破産しており、グループ全体の資金調達に問題があった可能性も浮上しています。
このような背景から、「経営層はすでに経営破綻を想定しながら動いていたのでは」と見る専門家もいます。
もちろん、「計画倒産」と断定するには証拠が必要であり、現時点ではあくまで疑念の域を出ていません。
しかし、こうした不透明な対応や情報開示不足が、世間の不信感をさらに強めているのは間違いないでしょう。
顧客・従業員への影響と今後の対応策
顧客への影響:未消化契約と返金問題
ミュゼプラチナムの突然の休業・破産によって、最も大きな打撃を受けているのは契約中の顧客たちです。
回数制の脱毛コースを契約していたにもかかわらず、施術が途中で止まり、返金もされていないという声がSNS上にあふれています。
中には、数十万円単位での未消化契約を抱える顧客も少なくなく、対応窓口も閉鎖されたまま、実質的に“泣き寝入り状態”となっている人もいます。
特に、サブスク型の「通い放題プラン」などを利用していた顧客は、今後施術を受けられる見込みがなく、債権者として破産手続きに参加するしか方法がないのが現実です。
従業員への影響:給与未払いと不安定な雇用
従業員にとっても、ミュゼ破産は深刻な生活被害をもたらしています。
長期にわたる給与未払いのほか、雇用契約の打ち切りや社会保険の未納、退職金の未払いなども問題視されています。
一部の元従業員はすでに労働基準監督署や労働組合を通じて、法的手続きを進めているようですが、破産手続きにより回収できるかは不透明です。
さらに、企業側からの情報提供がほとんどなかったことにより、多くの従業員は突然の閉店・解雇に混乱し、今後の生活設計が立てられないままとなっています。
今後の対応策と課題
現時点では、破産管財人の選任や債権者集会など、法的整理の過程が進行中ですが、顧客や従業員にとって重要なのは「いつ・どの程度、返金や支払いが行われるのか」という点です。
しかし、資産状況や負債の規模次第では、返金率がごくわずかにとどまる可能性も高いとされています。
今後の注目点としては、破産申立書の内容、資産の処分状況、そして不正行為の有無に対する調査の行方が挙げられます。
まとめ
ミュゼプラチナムの破産は、突然の出来事のように見えましたが、実は長い間続いてきた問題が積み重なった結果です。
特に給与が何ヶ月も払われずに苦しんだ従業員の皆さん、そして施術が途中で止まってしまい返金もされず不安な気持ちでいっぱいの顧客の方々、本当に辛い思いをされていることと思います。
それでも会社は新しい契約を続けていたことで、「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」「なぜ最後まで信じていたのに裏切られたのか」と、悔しく、悲しい気持ちが膨らんでしまったのではないでしょうか。
給与の未払い分や返金の全額支払いは難しいかもしれませんが、それでも被害にあわれた方が少しでも救われる形が実現してほしいと心から思います。
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