かつてEE JUMPのメンバーとして芸能界デビューしながら、窃盗事件で逮捕・実刑判決を受けた過去を持つ後藤祐樹さん。
姉は元モーニング娘。の後藤真希さんということもあり、その波乱の人生はたびたび注目されてきました。
そんな彼が今、市議会議員として新たな一歩を踏み出しています。
いったい何をしてしまったのか、そしてどのような経緯で議員になったのか。
気になるポイントを整理してご紹介します。
後藤祐樹生い立ちと芸能活動のはじまり

1986年7月10日、東京都江戸川区に生まれた後藤祐樹さん。
両親と姉3人に囲まれた6人家族の末っ子長男で、三女は元モーニング娘。の後藤真希さんです。
幼少期は比較的穏やかに過ごしていましたが、小学校時代に父親が登山中の事故で急逝。
この喪失は幼い祐樹さんに大きな影響を与え、自身も「非行に走るきっかけだった」と語っています。
小学校高学年で放火事件を起こすなど、心の拠り所を失った中で荒れた生活を送ることもありました。
そんな彼に転機が訪れたのは中学時代。
姉・真希さんの縁でスカウトされ、2000年に男女ユニット「EE JUMP」として芸能界デビューを果たします。
相方ソニンさんと共に「LOVE IS ENERGY!」「おっととっと夏だぜ!」などヒット曲を生み、人気ユニットとして注目を浴びました。
しかし、未成年での飲酒や素行不良など度重なる問題行動が報じられ、わずか2年後の2002年に芸能活動を実質的に終了。
華々しいデビューから一転、芸能界を追われることとなりました。
犯罪歴・逮捕と刑務所生活
芸能活動を離れた後も、後藤祐樹さんの人生は波乱に満ちていました。
特に2007年の逮捕は世間を大きく驚かせる出来事でした。
ここでは、彼の犯罪歴を時系列で整理してみます。
主な犯罪・逮捕の時系列
- 2001年8月:仙台で女性マネージャーへの暴行事件(当時は逮捕に至らず)
- 2002年:未成年でのキャバクラ飲酒など不祥事により無期限謹慎 → 芸能活動停止
- 2007年7月〜:友人2人と共に建設現場に侵入し、銅線窃盗(金属窃盗)を繰り返す
- 2007年9月26日:東京都渋谷区の現場で警備員を殴打、強盗傷害事件を起こす
- 2007年10月20日:弁護士同伴で小松川警察署に出頭、窃盗容疑で逮捕 → 12月4日に強盗傷害容疑で再逮捕
- 2008年5月21日:東京地裁で懲役5年6か月の実刑判決、川越少年刑務所へ収監
刑務所生活と過酷な体験
収監先は1500人規模の川越少年刑務所。
生活は厳格に管理され、布団の畳み方一つにまで細かな指導が入りました。
配属先の「工場」では木工や炊飯などの作業をこなし、規律に従う日々。
しかし、刑務所内には厳しい序列があり、理不尽な“指導”やいじめも存在。
後藤さんは「便所タワシで歯磨きを強要される」といった屈辱的な経験についても語っています。
芸能界での華やかな人脈も、収監後はほとんど途絶え、面会や手紙を寄せてくれたのはわずか2人だけ。
孤独と向き合う時間が続きました。
服役がもたらした転機

こうした過酷な環境の中で、自分の生き方や過ちと真剣に向き合うようになったといいます。
人権意識が低く、社会復帰支援も十分ではない現実に直面しつつも、そこで得た反省や気づきが、後の更生・社会活動、さらには政治の道へとつながる大きなきっかけとなりました。
転機と立候補の動機
刑務所生活や母親の死を経て、後藤祐樹さんは「このままでは終われない」と強い反省と更生の意志を抱きました。
出所後は自叙伝の出版や講演活動、YouTubeを通じて「過去の過ちも人の役に立つ」と発信。

再婚した妻や子どもの存在も大きな支えとなり、生活者・父親として地域社会との信頼を少しずつ取り戻していきました。
やがて八街市に転居し、子育て支援や防犯など身近な課題に直面。
「失敗を繰り返してきた自分だからこそ当事者目線で語れる」との思いが強まり、市議会議員への挑戦を決意します。
偏見を跳ね返し、更生のロールモデルとして地域に貢献したい。
その姿勢は、単なる話題作りではなく、本気の再出発だと感じさせられます。
市議会議員への選挙と当選
後藤祐樹さんは、2023年8月27日に行われた千葉県八街市議会議員選挙で、無所属新人として立候補しました。
定数20に対し24人が争う激戦の中、2018年から暮らしてきた八街市での地域活動や清掃会社の経営経験を武器に「家族が安心して暮らせる街づくり」を訴えました。
子育て支援や防犯、生活環境の改善といった身近な課題を掲げ、多くの市民に共感を広げていきました。

その結果、獲得票は1415票で全体2位という高い支持を受けて初当選。
インタビューでは「自分でも驚いている」と率直な気持ちを語りつつ、「八街市の問題解決で恩返しをしたい」と意欲を示しています。
任期は2023年9月16日から2027年9月15日まで。
過去の経験を糧に、市民に寄り添う議員として新たな挑戦を続けています。
現在の活動と世間の反応
後藤祐樹さんは、八街市議会議員として市民の暮らしに直結する課題に取り組んでいます。
特に野良猫問題では譲渡会に参加し、行政と連携したTNR活動(捕獲・不妊手術・リリース)の推進を提案。
また、通学路の安全確保のため草刈りや清掃活動に参加し、歩道整備やガードレール設置の必要性を訴えるなど、現場での行動を重視しています。
これらの活動はSNSでも発信され、市民との距離を縮める場にもなっています。
世間からは
「地域のために行動する姿が素晴らしい」
「過去を乗り越え努力する姿に勇気をもらった」
といった応援の声が多く寄せられています。
一方で過去の経歴に触れた批判も一部に残りますが、継続的な地域貢献により若い世代からの支持も着実に広がっています。
後藤さんは、自身の経験を糧に信頼回復を目指しながら、地域課題の解決に全力で取り組んでいます。
まとめ
後藤祐樹さんは、過去の困難を乗り越え、2023年に千葉県八街市議会議員へ初当選しました。
市民生活に密着した課題に向き合い、野良猫問題や通学路の安全対策などに現場で積極的に取り組んでいます。
その姿勢はSNSを通じて多くの支持を集める一方、過去の経歴に対する批判も残っています。
しかし、実際の活動を重ねる中で若い世代を中心に新たな支持が広がっており、地域に根ざした政治家として着実に歩みを進めています。
後藤さんの挑戦は、社会復帰の象徴としても注目される存在となっています。
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