大阪府河内長野市で、刃物を持った男に警察官が威嚇射撃をした後、発砲し、男が死亡する事件がありました。
報道によると、警察官は男に刃物を捨てるよう求めましたが、男が近づいてきたため、まず上空に威嚇射撃。
それでも向かってきたため、男に向けて発砲したとされています。
このニュースを見て、
「警察って、どんな場合なら人に向けて発砲できるの?」
「今回の発砲は法律上、認められるケースだったの?」
「もし発砲が不適切だったら、撃った警察官はどうなるの?」
と疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
実は、警察官の拳銃使用には法律や規範による厳しい条件があります。
そこで今回は、警察が発砲できる条件を分かりやすく整理したうえで、今回の河内長野市の事件がその条件に当てはまるのか、さらに、もし「不適切な発砲」と判断された場合に警察官がどうなるのかまで解説します。
警察が人に向けて発砲できる条件は?
警察官が持っている拳銃だからといって、自由に発砲できるわけではありません。
基本となるのが「警察官職務執行法第7条」です。
この法律では、犯人の逮捕や逃走防止、警察官や他人を守るためなどに必要な場合、状況に応じて合理的に必要な範囲で武器を使用できるとされています。
ただし、人に危害を与える発砲はさらに厳しく制限されています。
ポイントを簡単にすると、
- 警察官や周囲の人に危険が迫っている
- 犯人を止めるために武器の使用が必要
- その場の状況から見て、発砲が合理的
- 発砲は必要な限度にとどめる
といった点が重要になります。
つまり、
「刃物を持っているから撃っていい」ではなく、「刃物を持った相手によって、今まさに危険が迫っているか」が大きなポイントになるわけです。
いきなり発砲する?まずは警告・威嚇射撃が原則
では、警察官はいきなり相手に向かって発砲するのでしょうか。
そうではありません。
拳銃の使用については、警察官等拳銃使用及び取扱い規範で、拳銃を撃つ際の予告や威嚇射撃についても細かく定められています。
現在の規範には「拳銃を撃つ場合の予告」「威嚇射撃等」「相手に向けて拳銃を撃つことができる場合」という項目があります。
イメージとしては、
警告・説得
↓
拳銃を構える
↓
威嚇射撃
↓
それでも危険が続く
↓
必要最小限の発砲
という段階的な対応です。
ただし、相手が突然襲いかかってくるなど、警告や威嚇射撃をしている余裕がない場合もあります。
そのため、「必ずこの順番でなければ発砲できない」という単純なルールではありません。
重要なのは、その瞬間の危険性に対して、本当に発砲が必要だったのかということです。
大阪・河内長野市では何が起きた?
今回の河内長野市の事件では、刃物を持った男に対して警察官が発砲し、男が死亡したと報じられています。
報道されている内容では、警察官は男に対して刃物を捨てるよう求めました。
しかし、男が警察官に近づいてきたため、まず上空に向けて威嚇射撃。
それでも男が向かってきたため、警察官が発砲したという流れです。
つまり、
刃物を持った男
↓
警告・説得
↓
男が接近
↓
威嚇射撃
↓
それでも接近
↓
発砲
という対応だったとされています。
この「発砲に至るまでの流れ」が、今回の事件を考えるうえで重要になります。
今回の発砲は条件に当てはまっている?
では、今回の警察官の発砲は適正だったのでしょうか。
現時点で報じられている内容だけを見ると、適正と判断される方向の事情が多いと考えられます。
理由はシンプルです。
まず、相手は刃物を持っていました。
さらに、警察官は刃物を捨てるよう警告し、それでも接近してきたため威嚇射撃をしています。
そして、威嚇射撃の後も男が向かってきたとされています。
これは、
「危険が迫る」→「警告」→「威嚇射撃」→「それでも止まらない」
という流れになっています。
ただし、これだけで「絶対に適法」と決まるわけではありません。
最終的には、
- 男との距離はどのくらいだったのか
- 男はどのような動きをしていたのか
- 本当に攻撃が差し迫っていたのか
- 警察官や周囲の人に危険が及ぶ状況だったのか
- 発砲以外に安全な対応方法があったのか
- 発砲の回数や方法は必要最小限だったのか
といった細かな状況が確認されることになります。
つまり、「刃物男だったから発砲OK」ではなく、その場でどれほど切迫した危険があったのかが重要です。
もし「不適切な発砲」だったら警察官はどうなる?
では、もし調査の結果、
「発砲する必要性がなかった」
「発砲の方法が過剰だった」
などと判断されたら、警察官はどうなるのでしょうか。
発砲したからといって、必ず処分されるわけではありません。
一方で、法令や規則に反する不適切な対応だったと判断されれば、警察内部での処分につながる可能性があります。
処分には、
- 戒告
- 減給
- 停職
- 免職
などがあります。
また、単なる内部的な規則違反ではなく、発砲そのものに重大な違法性が認められれば、刑事責任が問題になる可能性もあります。
そのため、発砲後には「なぜ撃ったのか」「本当に必要だったのか」「撃ち方は適切だったのか」といった点が確認されます。
まとめ
今回の河内長野市の事件をきっかけに、警察の発砲条件を見てきました。
警察官の拳銃使用は、決して自由に認められているわけではありません。
基本となるのは、
「危険を止めるために必要だったか」
「その状況で合理的だったか」
「必要な限度を超えていなかったか」
という点です。
今回の事件では、報道されている範囲では、警告をしたうえで威嚇射撃を行い、それでも男が近づいてきたため発砲したとされています。
そのため、現時点で明らかになっている情報だけを見ると、発砲が適正と判断される要素は多いといえます。
ただし、本当に適正だったのかを判断するには、男との距離や動き、周囲の状況、発砲の具体的な状況などを確認する必要があります。
結局のところ、警察の発砲で重要なのは、
「撃ったかどうか」だけではなく、「なぜ、その瞬間に撃つ必要があったのか」
ということなのです。






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